高瀑 -立ちつくして

「媛の瀧」主宰のタックさんに実に三年ぶりで会うことができました。 三年ぶりの再会が「雨の高瀑」で、もうなんというか、「さっすが!」と言っておきましょう。

日程を決めたのは約一ヶ月前でした。 完全に私の都合だけで決めた日取りでした。 今年は空梅雨気味だし、もし入梅しても初期はあんまりふらないだろうし、と思ってました。 週間予報も、はじめのうちは小さな「お日様マーク」もありました。

でも、近づくにつれ徐々に増加する降水確率。 やがて「雲マーク」だけになり、前日には「小さな傘マーク」も出てくる始末。

タックさんに松山方面の様子を聞くと「空は明るいんだけど、天気予報は『雨が降る』って言い張ってますね〜(^^;」 「一週間延ばす?」 と二人して悩んだ末、「まぁ、行くだけ行ってみますかね、ダメなら別の滝に回ってもいいし、」

当日、高知は朝から本格的な雨。さすがにこんな日に滝に出かけるなんて家族は呆れ顔。 松山も、タックさんが出かけようとした頃からパラパラと降り出したそうです。 新寒風山トンネル入り口まではずうっと雨でしたが、抜けるとウソのような明るい曇り。 路面も乾いた状態で、「よーし」とひとりごと。

待ち合わせの諏訪神社では、薄日が射してきて、「涼しいくらいでちょうどいいですねえ」と言葉を交わす二人。 林道崩壊地点までタックさんの車に乗せてもらい(感謝!)、 そこから徒歩。 しかし、高度を上げるに従って、お天気は下り坂に向かい、とうとう林道歩き約30分地点で雨具を装着。

雨に濡れた新緑に眼を奪われ、美しい渓流に心惹かれ、ときに滑りそうになりつつ久々の山道を辿り、 のぞきの滝、丸渕を過ぎ、高瀑下の滝から右岸斜面を登った後に樹間から姿を見せた高瀑とその絶大な岸壁。

初めて来た時よりもさらにその感動は深く、しばらく何もできず、ただ立ちつくしていました。

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写真の色調が全体的に白っぽい傾向だったので、今回はアルバムの台紙を濃いめの灰色にしてみました。

使用したフィルムはコダックのISO感度400ネガカラー、いつもようにプリントからスキャンしています。