最初の発表は、高知高専の岡林先生。 話を聞きながら、スクリーンのパワーポイントを見ながら、 もらった紙に漏らさないようにボールペンで書き込んだ。 こんなに真剣に話を聞いてノートを取ろうとしたのは 学生時代も含めてはじめてだったかも。。(^^; メモに頼りながら覚えている範囲で書いてみることにしよう。
今回の震災は震源域が広範囲におよび、宮城県沖で2回、茨城県沖で1回と、 3つの地震波が連動することにより、津波も重なり合って波高が高くなった。 と、これはTVや新聞で伝えられた通りだった。 では、近いとされる南海地震ではどうか? (思わず身を乗り出して聞いた) 南海・東南海・東海地震が「もし」重なると地震の規模はM9.0と予想されるとの事。 背筋が凍る思い。
さらに、今回の東日本大震災では最大震度7を記録した宮城県栗原市での 地震動はピーク周期が0.1秒〜0.25秒だったが、南海地震が3連動で襲ってきたら、 複数の震動が重なることにより、木造家屋にとって致命的な周期1秒前後の 「キラーパルス」が発生するとのことだった。
すなわち、南海地震では、津波はもとよりその前の揺れによって大きな被害が 予想され、津波から避難が遅れてしまうかも知れない。 家具の転倒のみならず家屋の倒壊によって下敷きになってしまっては 逃げるに逃げられない。二階建ての家では二階で就寝するなど、被害を 最小限に止めるための対策が必要とのことだった。
TVで繰り返し放映された仙台空港への津波の襲来。 仙台空港近くの名取川河口および閖上地区の地形は、高知空港のある南国市の香長平野 と物部川河口付近とよく似ていて、今回の被害から南海地震での浸水域を想定すると、 平野部ではJR後免駅くらいまで、物部川では高知工科大付近まで津波は遡るらしい。
津波が陸を駆け上がるスピードは沿岸部ほど速いことが、 がれきの残っている高さで明らかになっている。 揺れの後、一刻も早く「北へ」向かうことが大事だ。
また、橋桁など波が直接(ほぼ直角に?)当たったと思われる物は コンクリート製の物でも著しく破壊され、流されている。
2mの波をスレート板(幅何メートルだったか失念)にぶつけるという 港湾研究所の実験映像が動画で流された。 それによると、ぶつかった際に波高は2倍加算され合計2+2×2=6mになり、 スレート板(厚み失念)の下部はこなごなになった。 これでは、10mを越す波が防波堤に直接ぶつかれば、 場合によっては防波堤が破壊されるのも理解できる。
その中にあって破壊されない、あるいは流されていない構造物は、 その中を波が通るなど、波の力を逃がす構造になっているものであった。 ボックスカルバートや、回転する公園の遊具など。
これらにより総合すると、避難場所の構造として望まれる条件は、 津波高さより高いことに加え、(1)下部が柱構造で波を面で受けない構造。 または、(2)波に対して流線型のような形をした高台。 ということになるらしい。
ただ、ここで心配なのは、「柱構造は地震動に対して壁より弱い」 と阪神淡路大震災で言われてなかったか?ということだけど、どうなんだろう? 素人考えでは、柱構造でも筋交いを適切に入れれば良いんではないかと思うが。 (この部分は筆者の考えたことなので、間違えないように)
ハード面の対策は色々検討されているが、方針が決まってもできるまでには時間がかかります。 とにかく、高台を目指して逃げること!...なのだ。