[ トップへ戻る ]  [ もくじ ]

東日本大震災現地調査報告会に参加して

4. 高知県での避難状況

次は、高知高専研究生の中城さん。 今回の震災時、高知県沿岸部にも津波による避難勧告・指示が出されました。 しかし、実際に避難した人はわずかでした。中城さんは須崎市と南国市で行った調査の結果について 報告してくださいました。

避難しない理由と非常持ち出し袋

避難しなかった、あるいはしない理由は

  • ここまで来るとは思わなかった
  • 高いところに住んでいる
  • 避難できる場所がない
  • 建物が倒壊しなければ避難しない
だった。

ふだんから、もっと地域で声かけ合って訓練などに参加することが 必要だと感じた。最初に書いた「おんちゃん」「おばちゃん」の コミュニケーションパワーの出番だと思う。 自分もそんな「おんちゃん」にならないかんなあ。

非常持ち出し袋にしても然り。 いかん、そういえばウチは、いままでキャンプ道具から選んでリュックに 入れてたけど子供が成長するに従ってキャンプから遠ざかり、今は。。。(大汗)

もうひとつ。 避難所において「率先帰宅者」にはならないこと。これ重要。 避難指示が解除されていないのに、帰宅すると 「○△さんが帰ったからオラも」と連鎖するのだそう。たしかにそうなりそう。 津波は幾波にも分かれて到達するということを忘れてはいけない。 東日本大震災でも、波が引いた間に家に物を取りに戻った人が波にのまれている。

まとめとして〜非常食について提案

次の2つの提案があった。

  • 非常食を地域で協力して避難場所に確保(保管)しておくと 「着の身着のまま」で避難した地域の人たちも非常食を得ることができる。
  • 非常食にも水にも消費期限がある。避難訓練の際に共同で買った 非常食の食事会をしてはいかが?

5.南国市における今後の課題

最後に南国市危機管理課の西原さん。

調査報告やその他の情報を元に現在取り組んでいることについてお話しくださったことを 列挙しておきます。

  • 行政防災無線の設備について、予算を得て現在取り組んでいる。 (今回は広報車によったが、防災無線の有効性が今回の震災で示されている)
  • 地域防災計画を「想定外」に備え見直し。
  • 防災対策として必要なことは限りなくあり、そして常に変化している。 「終わりなき挑戦」を続ける。(と心強い言葉)
  • 前浜の避難施設の構造を鉄骨構造から鉄筋コンクリート構造に設計変更
  • 東海・東南海・南海3連動対策については11月頃から取り組む。
  • 防災計画については平成24年夏頃に中防災が計画を発表→高知県が地域的条件を入力して 平成24年中に発表→それを受けて南国市は平成25年夏頃発表...というロードマップ
  • 近くに山のない沿岸部については、丘陵状公園(土山)や沿岸と平行する市道など、 岩沼市計画を参考ににする。 具体的には、海岸砂丘に20メートル程度(10メートルから20メートルとお話されていたように 記憶しているが)の盛土で土山を作り、平常時は公園として利用し、非常時は避難場所とする。 (この計画の最大の課題は、ある場所では個人の土地であること。 協力してほしいとの訴えがありました。) 避難誘導灯は停電を想定し、太陽電池+充電池による電源でLED照明とする。

研究機関との連携をはじめ、地域防災組織とのつながりなど、 南国市はよくがんばっていると思う。 しかし、どうがんばっても公によるハード面対策は、「予算」という大きな課題があるし 何を作るにしても時間がかかる。繰り返すが自助・率先避難が一番大切だ。

6.筆者としてのまとめ

ここまで書いて、さすがに疲れた。読んでる方はもっと疲れているでしょう。もう少しです。(笑)

明日起こるかも知れない、今この息を吐いた次の瞬間に揺れるかも知れません。 南海地震の起きる確率は60パーセント。平成17年のデータで交通事故に遭う確率が9パーセント程度だった ということを今、調べました。怖いですね。(-.-;

一所懸命対策を検討してくれてはいますが、行政の対策を待っても早くて2年後です。 今、自分を守れるのは自分だけ。備えを怠らないように。 地域の防災訓練や今回のような会合は貴重です。時間の許す限り参加したいと思います。 おもしろい「おんちゃん・おばちゃん」に会えるかも。ともだちも増えるかも知れません。

ところで高知市はどうなってんだ?